名刺交換のビジネスマナー。安心感と信頼感を持っていただくには。
名刺交換のビジネスマナー。安心感と信頼感を持っていただくには。
カテゴリ:
名刺交換で決まるビジネスに於いての第一印象
ビジネスでの出会いは、名刺交換から始まります。名刺交換は、いわばビジネスを始める際の「儀式」です。
名刺交換の仕方次第で、ビジネスマンとしてマナーをわきまえているかどうか判断されます。第一印象をよくするためにも、名刺交換の手順をしっかり覚えておくことはビジネスに於いてとても重要です。
しかし、冠婚葬祭の儀式が地域によって違いがあるように、名刺交換の手順も地域・業種・会社によって慣習の違いがあります。そのため、私共のマナー研修・セミナーでも、新入社員だけでなく管理職の皆様からも名刺交換についてのご質問が最も多くあります。
このページでは名刺交換の基本的なマナーをお伝えします。基本を身に付けつつ、場数を踏んで地域・業種・会社などの慣習を取り入れていくと良いでしょう。
名刺交換はビジネスコミュニケーションの第一歩です。その一歩を自信を持って進めるように、しっかりと基本の流れを押さえておきましょう。
名刺の果たす役割とビジネスマンとしての心得
名刺は「その人そのものを表す」と言われます。そしてその先には、自分の会社が存在します。会社の代表として、あなたの顔を覚えてもらうための重要なビジネスツールです。
名刺には3つの役割があります。
|
こうした役割を踏まえて、名刺はその人の代理である考えを持ち、丁寧に扱うことが大切です。
名刺に関するビジネスマンとしての心得
名刺に関するビジネスマンとしての心得として、以下の5つを挙げることができます。
- 1. 名刺は切らさない
訪問前や来客との面談前に、名刺入れの中をチェックすることは勿論、デスクの中の在庫を切らすことが無いよう早めに注文しましょう。 - 2. 名刺はすぐに取り出せる
自己紹介で相手を待たせることが無いよう出しやすい場所に保管すること(胸ポケットやバッグの出しやすいポケット等)、あらかじめ確認して伺うことが大切です。 - 3. 名刺は自分の人となりを表すと認識する
角が折れていたり、汚れた名刺を交換することはビジネスマンとして失格です。 - 4. 名刺入れはシンプルなものを用意する
名刺入れもビジネスマンとしての身だしなみの一部です。華美なものは避け、シンプルなものを選ぶことをお勧めします。手帳に挿んだり、定期入れに入れたりすることの無いようにしましょう。 - 5. 頂いた名刺は、早めに整理する
日付や用件、印象などを後で書き込んでおくと、人物記憶に役立ちます。また、名刺整理のアプリケーションを活用して整理するのも良いでしょう。
名刺交換の基本
名刺交換の仕方は、様々な形があります。ここでは私共が研修、セミナーの中でお伝えしている基本的な方法をご説明します。
名刺を渡す前の基本原則
名刺とは何なのか?どのような順番で名刺を渡すのか?といった、名刺交換のマナーを知っておきましょう。
名刺交換のマナーは、名刺を渡す前から始まっています。
- 名刺はその人自身
基本的に、両手で丁寧に扱います。渡す時、受け取る時共に、胸の高さで扱います。 - 名刺の会社名、名前の部分はその人の顔
指で触れて隠してしまわないようにしましょう。 - 名刺交換は原則立って行う
スムーズに立てるよう前もって意識しておきます。 - 名刺交換は相手との間に机など、物を挟まない位置で行う
自分から障害物を避ける位置に動きましょう。 - 名刺は、目下から目上に
立場が下位の人、紹介の場合は紹介された人、訪問先では訪問した方が先に渡します。 - 相手が複数の場合は相手の上位職から順に名刺交換
自社側が複数の場合は自社の上位職から順に相手と名刺交換をします。
お互いに複数で名刺交換を行う場合は、時間短縮のために臨機応変に対応することもあります。
名刺の渡し方
名刺を相手に渡す場合、画像のようなイメージでお渡しするのが理想的です。
![]() |
名刺入れに名刺を乗せ、指で送りながら手渡す。
- 「○○社の○○と申します。」
- 会社名・部署名・名前をはっきりと名乗る。
- 挨拶をする。
「どうぞよろしくお願いいたします。」
名刺の受け取り方
こちらが名刺を受け取る場合は、画像のようなイメージで受け取るのが理想的です。
- 受け取る際、軽く会釈をしながら両手で受け取る。
「ちょうだいいたします。」
受け取った名刺は胸の高さで保持しましょう。 - 相手の名前を復唱する。
「□□社の□□様でいらっしゃいますね」 - 挨拶をする
視線を合わせ、にこやかに。 - お辞儀+「よろしくお願いいたします。」
お辞儀と共に、相手の名刺が胸の高さから下がらないよう注意しましょう。
<相手の名前が読めない時>
- 先方の名前が読めない時、相手の言葉が聞き取りにくい時も、うやむやにせずこの時点で確認する。
「失礼ですが、お名前は何とお読みすればよろしいでしょうか?」
「恐れ入ります。お名前は□□様とお読みすればよろしいのでしょうか?」 - 相手の名前を覚えることができた後は、名刺入れに収める。
- すぐに相手の名前を覚えることができなければ、そのまま名刺を名刺入れの上に乗せ、商談テーブルに置いても良い。
「ちょうだいいたします。」
商談中に名刺入れに一度収めた名刺は、再び取り出さないようにしましょう。
同時交換の仕方
名刺を同時交換する場合、このような手順で行いましょう。
- お互いに自己紹介する。
「私、○○社の○○と申します。」
「私、□□社の□□と申します。」 - 同時に渡し、受け取る。
同時に右手で相手の名刺入れの上に置き、左手で自分の名刺入れの上に受け取ります。 - (お互いに名前を確認し合って)挨拶をする。
状況に合わせて「□□様でいらっしゃいますね。」と、確認する。
「よろしくお願いいたします。」
<複数で名刺交換する場合>
- 上位職から順に交換する。
あらかじめ、自分の名刺は必要枚数を名刺入れに挿み、取り出しやすくしておくとスマートです。
商談中の名刺の扱い方
- 着席したらすぐに、相手の名刺をきれいに並べる。
基本は自身の右側(上席の観点から)に置きますが、相手や同行者との着席位置との関係、また書類を置くスペース等を考慮して臨機応変に変えて構いません。
置く時は、あわてず動作はゆっくりし、名刺を丁寧に扱いましょう。
複数枚、名刺を並べる時は、縦並びでも横並びでもどちらでもOK。 - 名刺は商談が終わるまでそのまま並べておいても構わない。
商談中、書類や資料が多く、名刺の扱いが煩雑になるようであれば、名刺入れに収める。
「失礼いたします。」と一声かけて収めます。
名刺入れに仕舞う前に、相手の名前は覚えておきましょう。
立食パーティーや懇親会での名刺交換のポイント
立食パーティーや懇親会では、通常のビジネスシーンと少し名刺交換の仕方が異なります。こうした社交場でもスマートに名刺交換ができれば、ビジネスが大きく広がるでしょう。
- 多数の相手との名刺交換を考え、名刺切れを起こさないよう、名刺は十分に枚数を準備しましょう。
- 名刺入れは、自分の名刺と頂いた名刺をわけて入れられる二つ折りタイプで、たっぷり入るマチ付きがお勧めです。
- グラスやお皿は一旦おいて、必ず両手で受け取るようにしましょう。
- 相手が名刺入れにしまってから、こちらも名刺入れに入れると良いでしょう。
安心感と信頼感を伝えるために。名刺交換のタブー
名刺交換をスマートにこなすことで、初対面の相手にも「安心感」「信頼感」を伝えることができます。
以下の8つのNG行動例を避けることで、そうした印象を持っていただくことができます。
名刺交換NG例8つ
× いざ顔を合わせる場になって、あわてて名刺を探す。 |
こんな時どうするQ&A
ここまで御覧いただいて、スマートな名刺交換はイメージしていただけましたでしょうか?
しかし、冒頭でも述べましたように、ビジネスの現場では名刺交換の様々な仕方があることも事実です。その中では予想外のことも起こります。
私共がマナー研修やセミナーで受講者からよく受けるご質問をまとめておきます。
Q:自分より先に、お客様から先に名刺を渡されたらどうすればいい?
A:お客様の名刺を先に受け取ってください。その後、自分の名刺を渡します。
その際には、「申し遅れました。私、○○社の…」と一言添えると良いでしょう。
Q:続けて複数の相手と名刺交換をする時に、先に頂いた名刺をしまっているとモタモタしてしまいます。
A:次々と名刺交換する場合は、先に頂いた名刺を名刺入れの下で指で挟み持ちます。
そして、次の名刺をその下に持ちます。全ての方と名刺交換が終わったら、自分の名刺入れの上に乗せてください。そうすれば、上位職の名刺が一番上になっているはずです。
Q:名刺を途中で切らしてしまいました。どうすればいい?
A:その場で丁寧にお詫びし、素直に名刺を切らしてしまった事を告げましょう。
そして、会社に戻ったら、詫び状と共にすぐに名刺を相手に送りましょう。
まとめ
一枚の名刺の渡し方、受け取り方で、出会った瞬間から相手に対する敬意を表すことができるのが名刺交換です。また、それができるのは日本人の強みではなかろうかと感じます。
「一期一会」の心を持って、ビジネスを切り開いていく瞬間…とまで言うと少々大仰でしょうか。しかし、この相手を大切に思う気持ちをベースに持っていれば、様々な名刺交換の様式があったとしても、どれも間違いではないと私共は考えております。
ビジネスの出会いの場で、今回お伝えした名刺交換のマナーが皆さまのお役に立つことを願っております。
〈吉田〉
- 前の記事
- 次の記事
企業、官公庁、金融機関、医療関係機関など実績多数。利益向上にコミット!!
