和室の立ち居振舞い
和室の立ち居振舞い
カテゴリ:和室の立ち居振舞い
自宅に和室がないという方が増えてきました。畳に座ったことがないという方もいますが、旅行に行くと、旅館ではまだまだ和室が多いです。楽しい旅行に自信を持って振る舞えるように和室でのマナーについて考えましょう。
1、利休の七則
和室でのマナーの原点はお茶から来ているようです。お客様をいかにおもてなしするかは、お茶事のお客様のおもてなしと同じです。
茶道千家流の始祖であり、侘茶を大成した茶人として知られる千利休の教えとして「利休七則」が残っています。
一、茶は服のよきように点て 「お茶は心をこめて、おいしく点てる」
二、炭は湯の沸くように置き 「湯が沸くように上手に炭をつぐ(本質を見極める)」
三、夏は涼しく、冬は暖かに 「季節感をもつ」
四、花は野にあるように 「花は自然に入れる(自然から与えられたいのちを尊ぶ)」
五、刻限は早めに 「時間はゆとりを持って早めに」
六、降らずとも傘の用意 「どんなときにも落ち着いて行動できる心の準備と実際の用意をする」
七、相客に心せよ 「客になった人はお互いを尊重しあう」
(裏千家ホームページより引用)
というものです。
利休七則とは、茶の湯を学ぶ者の基本となる心得。自然体のままで季節感を大切にし、「もてなし」と「設え(しつらえ)」を基本にしています。
「相手がされて嬉しい事を人に施せ」という考えは、「おもてなし」の基本です。
また、おもてなしには「表なし」という意味もあるそうです。心に表裏のない、心からの誠意で客人をもてなすという意味があるとも言われています。
2、和室でのマナー
①和室を知りましょう
●床の間、脇床
床の間(とこのま)とは、和室にある一段高くなった空間。掛け軸や活けた花などを飾る場所。床の間の横に作られているのが脇床(わきどこ)。違い棚や地袋が設けられていることが多いようです。
※床の間や脇床にはキャリアーなどの荷物は置きません。
●上座と下座
上座(かみざ)とは、日本のマナーにおいて身分が高い人が座る場所です。入口から最も遠い場所が上座で、入口に近い席が下座(しもざ)です。
上座下座の場所を知っていることも大事ですが、自分はどこに座るべきなのかを考えましょう。
②和室での立ち居振舞い
和室での立ち居振舞いは、洋室と当然違います。歩くときには歩幅が狭くなる、畳の縁を踏まないで歩くなど、普段とは違う和室での立ち居振舞いを心がけます
●座る
背筋を伸ばして両ひざをつけて座ります。
※最近、両ひざをつけて座ることに意識がない女性が多いように思います。両ひざがつくと、自然に背筋が伸びて、周囲からみると美しい座り姿に見えます。普段から、膝をつけることを習慣づけたいものです。
●座礼(座ったままの礼)と立礼(立ったままの礼)
ビジネスマナーで聞いたことがあるかもしれませんが、3種類のお辞儀です。会釈(草礼)、敬礼(行礼)、最敬礼(真礼)のことで、それぞれ、15度、30度、45度の角度で頭を下げます。
手はㇵの字になるように畳につきますが、草礼の時は指先が軽く畳につき、真礼になると手のひら全体が畳につきます。頭が下がるにつれて、手もだんだんと畳についていきます。
●歩く
畳の縁を踏まないように歩きます。だいたい、一畳を約六歩で歩きます。普段の歩き方に比べたら歩幅が狭いです。
畳の縁を踏まないのは、縁は傷みやすいので、それを避けるためと言われています。
手は大きく振りません。また、肘も張りません。着物を着ているときは、両手は自然に下げて太ももの上に乗せます。
●跪座(きざ)
和室で立ったり、座ったりするときに、動きやすいように跪座をします。
跪座とは、足の指先を立て膝をついて、その上にお尻を載せる座り方を言います。座っていて立つとき、逆に、立っていて座るときに、一旦跪座をすると動きがスムーズです。
●障子の開け方、閉め方
障子の開け閉めには、2手で行ったり、3手で行ったりと色々なやり方があります。これらは、やはりお茶の世界から来ているようです。
●座布団の座り方
座布団に座る時には、座布団の上には絶対に立ちません。下手側に座ってから座布団に座ります。
●物の持ち方、渡し方
相手にお土産を渡す時は、風呂敷や紙袋から出して、一旦畳の上に置きます。その後、相手に正面を向けて差し出します。
和室での立ち居振舞いを知ると自信を持って動けるようになります。和室だけでなく、普段の立ち居振舞いも綺麗になります。
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